デザイン考:管理人の昔話/私的編

こんな(どんな?)オイラでも諭吉翁が数十人以上も必要な程のオーダースーツを着ていた頃がございました。それも10着以上も所有。もう気分ダケは有能な若手経営者ですわ。バブルが崩壊した後でしたが、もう四半世紀位前な話です。
若手(つまり当時のオイラ)の話が聞きたいと言う企業経営者様のお誘いで良く銀座や六本木の高級クラブにも連れて行って貰っておりました。勿論自慢の(笑)スーツを着て意気揚々と。
駄菓子菓子!スーツは諭吉翁が数十人以上必要程なのに、そこに合わせたのはその辺りで買った白い靴下&京王線笹塚駅近くの安売り靴屋さんで買った5~6千円の靴。テッロテロの綿100%じゃ無いワイシャツにワイシャツの襟との釣り合いが全く合わない大きさの結び目のヨッレヨレのネクタイ。
あっ、思い出したぁ。今日は六本木の高級クラブに連れて行って貰えるってぇ日の昼間に、件の靴屋さんで大奮発して1万円程のリーガルの“ロファー”を買った事もございました。はいこう言う場合は紐靴で無くてはなりません。最低でダブルのモンクストラップシューズかと。
当時、席に着いたクラブのオネーサン達の眼にはオイラの姿がどぉ写ったのかは想像に難く無いです。いや誰か注意をして呉れる大人は周囲には居なかったのか?!今思い起こせば穴を掘ってでも入りたい気分ですが、クラブのオネーサン達に楽しい話のネタを提供出来たと思えばお役に立てて嬉しい限りです。
そんなオイラにもある一冊の本との出会いで転機が訪れたのでした。それは落合某と言う服飾評論家の書いた分厚い本でした。
男の服飾は斯く有るべし と言う様な事が書いてあったのです。デザインよりパターンが大事とか素材が大切とか書いてあったのですが、
この本を読んで一番ショック(?)だったのはスーツはソコソコでも良いから、先ずは靴とワイシャツにお金を掛けろ的な内容でした。
はい、当時のオイラと全く逆の発想です。
この本を読んでから所有している諭吉翁が数十人以上も必要程のオーダースーツ(笑)を全て廃棄しました。
裃の様な肩 / 随分と長い着丈 / ダボっとした胴回りの上着+太い渡り/ 太い裾幅のスラックス のスーツが
ナチュラルショルダーと謂われる肩 / 若干短めな着丈 / 少し絞った胴回りの上着+少し絞った渡り/ 同じく少し絞った裾幅のスラック のスーツに変わりました。
そして仕立ての良い靴と仕立ての良いワイシャツを求め出だしたのでした。因みに当時の靴は四半世紀位たった現在でも未だ5~6足位現役です。スニーカーや安全靴(笑)の合間に履く事がございます。
はい、この服飾に関する考え方(?)を住宅建設に導入したのでした。
以下 次回(っていつになるか未定ですが)に続く
Sean Y.