BLOG

RC造(∋RM造)の断熱工法 考Ⅱ:やはり内断熱工法派です

 先週、とある設計事務所さんから、異なる3社の外断熱工法から室内の熱負荷の違いをザックリと導きだしてしてチョンマゲ って依頼があったんだけど、それから怠けるのに超多忙な日々で本日やっと着手したのでした。
 あっ、依頼があれば∧お金になれば何でもやるんです、オイラ。
 
 異なる3社の外断熱工法と言っても、その中の2社に付いては異なる断熱材本体の厚みによる違いも出してねとのオーダーもあったんで都合5パターンを導き出した。
 2年前の今頃にも掲題のテーマでブログを書いたんだけど、図らずも今回は数字で検証と言う運びに…

 調べた3社の外断熱工法に共通したのは、RC造(∋RM造)の外壁の外側(日本語ヘン?)にその会社独自の断熱材を貼り、次にその外側に保護となる建材を持って来て、そこを仕上げる って感じ。
 また、その性能はその会社独自の断熱材のみの<熱伝導率:(W/m K>ないし<熱抵抗値:㎡ K/W>しか数値化していないと言う事だった。
加えて言うのなら、基本的には屋根の使用は想定していない。

 室内の熱負荷を計算する時は<熱貫流率:W/㎡ K>と言う単位の数値が欲しいんだけど。最終的に知りたいのは、その外断熱材を用いた時のトータルで壁となった部分(っての?)の熱貫流率の値。

 熱学がテーマのブログでは無いので、数式のみを書くと
熱伝導率(W/m K)と厚さ(m)が分かっている時
熱抵抗値(㎡ K/W)=厚さ/熱伝導率
熱貫流率(W/㎡ K)=1/熱伝導率
の関係になる

異なる素材(断熱材/保護材/仕上材)が合わさっている時は、その素材毎に熱抵抗値を出し、その熱抵抗値を合算したもの(数値)をその外断熱材を用いた時のトータルで壁となった部分(っての?)の熱抵抗値とし、ここから前述の式で熱貫流率を導き出せる。

 さて、計算してみたのだが、UA値がやたら跳ね上がる(笑)ものは確かにある。はい、あるものを用いた場合はUA値が0.36W/㎡ Kにもなるのがあった反面、UA値が0.70W/㎡ Kしかならないものもあった。コンクリートの壁単体の厚さ200mmの素の壁(?)の時のUA値を0.89W/㎡ Kと決めてるオイラとしてはチト残念な数値

 お察しの通り(なの?)、UA値がやたら跳ね上がる(笑)ものはカナリ良い値段がするし、UA値の上昇(低い数値程良い)にあまり貢献しないものでもそれなりの値段がする。
一方、狭い空間や大きな開口部がある空間では、室内熱負荷の軽減はUA値が高かろうが低かろうがそんなに室内熱負荷に違いが無かった。
何れも工期もそこそこ掛かるのは仕方がない事実。それよりもその断熱材とRC造(∋RM造)の外壁との隙間に雨水侵入がするリスク(実際にある現象との事)は、只でさえ雨仕舞が成立していないRM造には致命的。

 トータルで考えると、無理して外断熱工法にしなくとも、取り敢えずは内壁に分厚いスタイロフォームでも貼る内断熱工法で充分かな っ  て改めて思うオイラなのでした。

以上 本日はココ迄

Sean Y.
 

関連記事一覧

PICK UP