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RM造 コスト考 RM造工法は何故普及しないのか?

 RM造工法(&SG工法)の布教活動に日々勤しんでいる弊社(の当ブログ)ですが、今日はRM造工法が何故普及しないのかに関しての考察をしてみようJAMAICAと思います。

 弊社ホームページや巷に出回っているRM造関連のURLに足を運ぶとRM造に関する美辞麗句(笑)が沢山踊っているのが判るかと存じます。
 弊社のホームページなんざ、試作版の時に<激安>、<ローコスト>やら<木造なみの・・・>なんぞの文字を入れたばかりに、未だにその名残(?)が出て参りますわ。

 何れも、その美辞麗句の通りであれば、既にRC造を駆逐している筈ですが、そぉでは無い現状は読者各位のご存知の通りです。

 それで、今日はRM造が普及していない理由に付いて私見を述べてみます。

理由①:発注検討者が期待する程、工費が安くならない
 この最大の理由は組積工事の費用だと思います。

この工事では熟練の型枠大工や熟練の配筋工が不要にも関わらず、施工業者に黙って(?)見積りを取ると、全ての作業に於いて専門熟練工を投入した見積書を提出して参ります。安くないですわ。

 例えば、型枠ブロックを運ぶダケ、ないし、型枠ブロックをこれを積む作業員に渡すダケの作業に於いては、何も専門熟練工の必要は無いのですよね。
実際、この型枠ブロックは初めての職人さんでもコツさえ掴めば迅速に積むことが出来ます。

 次に、構造上建物に悪い位な(?)無駄な配筋計画や、“充填コンクリート”と言う事を念頭にしない無駄なコンクリート配合計画に因るものが大きいかと思います。

 型枠ブロック内の限られた空隙や型枠ブロックの強度を考慮しないコンクリート配合計画は、弊社的には(?)費用が嵩むばかりで無く、構造上も建物に悪いと考えます。

最後は、型枠ブロックの運搬費用の想像を上回るコストです。これがボディブローの様にジワジワ効いて来ます。
型枠ブロックは一つ17kg弱もございます+型枠ブロック工場は大阪にあるのです+一度に現場に置けないのです。
工場から都合良く現場に搬入する費用が結構掛かるのです。

理由②:雨仕舞いの悪さ
 型枠ブロックを積むと、当然“目地”が発生致します。この目地から雨水が進入する場合があるのですが、理論上は型枠ブロック内に流し込む“充填コンクリート”が雨水の進入を妨げる筈なのですが、コンクリートの打設が上手く行かないと、雨水の進入を防いで呉れません。

打設が上手く行かない理由としては、打設不良や無駄なコンクリート配合計画と弊社は考えております。何せ打設具合を目視出来ないので始末が悪いです。

 只、弊社では寧ろ、開口部の“納まり”が最大の原因と推察しております。他社様のRM造建物で、雨水の進入が問題となっている建物を視たり、サッシの納まり図を読んだ事があるのですが、
「誰かこの“納まり”を止める人は居なっかの?」と言うのが筆者の素直な感想でした。

型枠ブロックを積み終わった時点では、その目地は、建物の外側から内側迄連続しているので、開口部を取り付ける際は、ここからの雨水の侵入を確実に止める手立てをしなければなりません。

理由③:高い期待(about 工期 工費 仕上がり)に応えられていない。
 弊社も含めて、他のRM造業者様のホームページを視ると、否が応でも期待に胸が膨らみます。勿論、期待通りの業者様が殆どなんでしょうが・・・

 でも、本当に発注検討者様の期待通りであるならば、今頃は弊社が布教活動に勤しまなくとも、RM造工法はトックの昔に普及していたと思います。あい、これが現実ですよね。
 RM造にとって理想的な建設計画(意匠、構造、施工等)が出来て居ないのが、期待に答えられない理由が大きいかと思っています。

 では、何故弊社がRM造のアパート建設の布教活動をするのかと言うと、
この工法を活かす割り切った建設企画を立案し、尚且、この工法のデメリットを真摯に捉え、そしてチャンと伝え、発注検討者様のご期待に応える努力をすれば、カナリ有用な施工方法だと信じたからでございます。

って、事で今日の布教活動はここ迄! 今日もご清読(?)有難うございました。

Sean Y.

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