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番外編:断熱塗料 考

 いつかの記事で、RM造建物に付いての断熱性能に付いて(断熱性能は無いと)書きましたが、今日は番外編で巷に出回っている<断熱塗料>に付いて、筆者の考えを書いてみようJAMAICA。

ヾ(´ へ `;lilil 断熱塗料業関係各位に喧嘩を売るつもりは毛頭無ございません。浅学なオイラの個人的な浅薄な考察でありますが、一零細私企業の超個人的なブログなんで思っている事を素直に書く次第です。

d(`・ω・´) この世の中<断熱塗料>なるものは存在しない。それは<遮熱塗料>だ!

 先ずは“断熱”と言う言葉の定義ですが、「熱移動を防ぐ」事なんですね。ところがぎっちょん、もとい、ところがどっこい大作、しつこい、インターネット上の企業記事や広告記事をみると あたかも「コレ<断熱塗料>さえ塗っておけば暑さ寒さも凌げます」位な事を平気で書いておりますよね。NASAが使用したとか難民が使用するテントに塗布したなんてページも見掛けた事がござます。

 んなぁ事はある筈が無い!断熱性能は熱伝導率とその素材の厚さで決まる(の?)んで、たとえ熱伝導率が“断熱”に対して有効な数字のナントカビーズやカントカビーズが入っていようが、塗装レベルの厚さ(=塗膜の厚さ)では謳う程は断熱性能が期待出来る筈が無いと思うのですわ。

 インターネット上の企業記事や広告記事を良く視ると「弊社の断熱塗料を屋根に塗った事で、猛暑日でもこんだけ室内の温度が下がりますた!」とグラフが載せてあったり、断熱塗料を塗布した鉄板の上にハロゲンランプを当てて、「断熱塗料を塗布した方は温度が殆ど上がりませんですた」とかはあっても、冬場の検証事例はほぼNOTHING。そぉ、遮熱性能を示しただけの内容が殆どです。

 まぁ、「断熱塗料のお陰で冬場も寒くならないっす(嬉)」 なんてユーザーの体験を挙げている広告もございますが、それは<断熱塗料>なるものが奏功した訳では無く、“熱”が単に空気層を形成するナントカビーズやカントカビーズに溜まっていて、それが気温が下がった時に放出されたダケかと思います。プラセボ効果も相俟って、特に室内に塗る<断熱塗料>なるものはその体感が顕著なんですね。塗料の<断熱効果>とは違うものかと思いますよ、私は。

 そもそも、遮熱だけなら、高価な断熱塗料を購入しなくても赤外線を反射する色や材料の混じった塗料を塗ったダケても充分なんJAMAICAと思ってしまいます。また、特に遮熱効果が発揮しやすい素材(熱伝導率が高い)に<断熱塗料>を塗布した時の結果ダケだよね とも・・・

 んで、加えて散見されるのが「弊社の断熱塗料は伸縮率が+**%なので下地に亀裂が入っても塗料自体が伸びて防水効果も期待出来まぁす!」との説明です。これも意味の無い数字なんです。大事なのは伸縮性能では無く、ゼロスパン(テンション)=下地(亀裂)追従性能です。下地にパキンと亀裂が入ってもその塗料が追従してそれを吸収出来るかどうかの性能です。たとえその<断熱塗料>なるものの防水性能が優れていても、下地(亀裂)追従性能が皆無ならば伸縮率の良さを表す数字は意味を為しませんよね。それでも<断熱塗料>なるものの中には伸縮性の良さを謳ったメーカーを視た事がございます。
 因みに、下地亀裂追従性能が悪い塗料は目地だらけのRM造建物には不向きな塗料ですよね。

 勿論、遮熱性能だけが必要なユーザーも沢山居りますし、劇的に遮熱性能が発揮出来る屋根や壁も沢山存在致します、はい。そう言った意味では断熱性能がほぼ無い<断熱塗料>なるものでも、<遮熱塗料>と考えれば良いものは沢山あるでしょうしその価値も充分あるでしょう。

 駄菓子菓子!ほぼ遮熱性能しか無い塗料に、あたかも必要充分な断熱性能を持ち合わせるかの如きな商品名及びその説明は如何なものかと思うのです。材料も決して安くは無いですしお寿司、特殊な材料なので工賃も安くないんです。
 それに遮熱性能がなまじ優れていると、冬場は逆に折角の熱(?)を弾くので寒くなりますよね。そうすると暖房費も上がって来るんでしょうね。

 早晩然るべき規制が掛かって来るとは思っておりますが、<断熱塗料>なるものの採用をご検討の際は、採用者自身が必要とする、ないし期待する性能が備わっているかどうか、そしてそれが対費用効果上どうなのかを充分吟味する必要があるかと思っております。

以上 本日はココ迄

Sean Y. (;゚Д゚)) 喧嘩  売ってもうたか、断熱塗料業界に・・・

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